隠岐牛メイン
HOME >> 支える人々 >> 井上 静雄

オススメ情報
  • 潮風日記
  • 潮風ニュース
等級情報

  平成20年の出荷成績

  • 出荷頭数 125頭
  • 5等級率 (*) 44.8%
  • 4・5等級率 (**) 80.8%
  • BMS平均値 7.36
飯古建設
お問い合わせ

井上 静雄

私は現在、潮風ファームの顧問という形で隠岐牛に携わらせて頂いております。隠岐牛の、生産から消費までの流れを考えることが私の仕事ですので、隠岐牛をどんな思いで肥育しているかについて、お伝えさせて頂きます。

 

human03_main.jpg

 

牛への感謝 命を頂くという重み

隠岐牛の肥育に関して私が一貫して持っている想いは、命を頂いているということです。牛のおかげで、自分たちの生活が成り立っております。それを考えると牛を大切にしなければといつも思います。そして牛に対する感謝の気持ちがなければいけないと思います。

自分たちの携わっている牛を最高のものにしてあげることが、私たちの使命であると考えておりますし、それが牛に対するお返しだと思っております。自分たちも食べていかなくてはなりません。それなら最後まで責任を持って良いものにしてあげたいのです。

そういう感謝の心があって、はじめて病気の世話が出来、出産にも一晩中立ち会っていられるのではないでしょうか。牛への感謝を込めて、お客様に「さすが隠岐牛」「やっぱり美味しい」と仰って頂けるように牛と毎日向かい合うようにしております。

繋げたかった生産から消費までの全て

 

human03_img2.jpg

牛への感謝を込めて消費者にちゃんと責任を持って届けたい。その想いが今の生産から消費までの全てに携わる私の仕事を支えてくれておりますが、最初から全てに携われた訳ではありません。最初は親が牛の商い(良い牛を見つけてきて他のところに売る)をしていたところから私と牛の関わりは始まります。子牛の生産や肉屋にまで親が手を広げて、私も中学の頃から親の仕事を手伝うようになっていました。

そこで昔ながらの牛の知識や目利きをしっかり学びました。親の仕事を引き継いで、更に焼肉屋を始め、肥育(牛肉として市場に出すまでの間育てること)にも携わるようになりました。親から引き継いだ島根和牛はどうで、岡山はどうだといった牛に関わる幅広い知識と、自分でやってみた経験とを掛け合わせて品質を本当に追求出来るようになり、自分のところでブランド牛を育てたいと思うようになりました。そこに飯古建設さんがリサイクルプラントの活用の為に、堆肥に目を付けており、牛飼いを始めようとしていました。隠岐牛というブランドを、自分たちで最後まで責任を持って育てていきたいと伝えたところ、一緒にやろうと言ってくださりました。一人では出来ない夢が現実になり始めた瞬間でした。

 

5年というバイオリズム 1分の判断

 

human03_img03.jpg

想いはあっても、簡単に最高の品質の牛が育てられるほど甘くはありません。牛というのは当たり前ですが生き物です。ですから、単体としても成長のサイクルがありますし、種としてのバイオリズムもあります。ずっと同じことをしていて同じものが育つものではありません。馬のほうが分かりやすいかも知れませんが、牛にも血統や掛け合わせがあります。

どのオス牛の種ならいいとか、消費者の好みがかわっていくという事もあります。血統はだいたい5年ほどで主流が変わります。そのため、掛け合わせを変えても同じ味、同じ品質にするには、この血統は前の牛に比べて幼い時に肉がつきやすいから、餌をこの時期から増やしていくなど、幅広い知識がないと品質が崩れてしまいます。一度崩れると原因の特定が難しいので、戻せなくなるという話も聞いております。牛一頭育つにも2年という歳月が必要ですから、感覚のずれが発生するのはすごく怖いことです。

それほど総合的な判断が必要なのですが、子牛をセリで買う時は、1分しか時間がありません。理屈を並べている間に値段が上がってしまいます。出荷のタイミングも2ヶ月早いだけで、もう駄目です。全ての工程が、2年後にはこんな肉質が求められるといった先読みをして行う必要があります。

その一方で、牛は神経質ですので、一頭一頭の性格にも気を遣ってあげなければなりません。臆病な牛は、人間が柵の中に入って身体に触れて、慣れさせてやらなければずっと神経を使い続けてストレスを溜めることになります。牛にストレスを与えないような細かい現場力と、総合的なバランスとが必要な仕事です。命を扱っているのですから当然と言えば当然ですが、それを毎日ちゃんと忘れずに牛の世話をすることが、大切だと思っております。

(2009年3月現在)