隠岐牛メイン
HOME >> 支える人々 >> 田仲 菊照

オススメ情報
  • 潮風日記
  • 潮風ニュース
等級情報

  平成20年の出荷成績

  • 出荷頭数 125頭
  • 5等級率 (*) 44.8%
  • 4・5等級率 (**) 80.8%
  • BMS平均値 7.36
飯古建設
お問い合わせ

田仲 菊照

潮風ファームの親会社である飯古建設が畜産業への参入を始める前の挑戦は、定置網事業。その新規分野での手応えがなければ、隠岐牛という夢はなかったかもしれません。定置網事業の礎である漁労長のお話を伺いました。

 

human04_main.jpg

 

学び、身につけることで挑戦出来る

私の仕事への姿勢をお伝えするにあたって、私が漁労長になった経緯をお話いたします。私は19歳でこの島に来て、まず一人の漁師として漁に携わっておりました。漁師として一人で動く傍らで、漁夫として定置網にも参加するという形で始まった定置網漁でしたが、ただの漁夫で終わらない為に、漁労長(定置網漁の長)になる為の勉強を始めました。普通は副漁労長といった役職になってから勉強することが多いですが、やるからには目標を立てて、その目標に叶うよう自分の器を大きくすること、いつでも出来るよう下準備を重ねることを毎日自分に課しておりました。船の図面を組合から頂いて、船の仕掛けや構造を頭に叩き込み、船も網も自分で修理出来るようになりました。そもそも誰かがやっていることなので、自分に出来ないことはないと思っております。違いは遅いか早いかだけです。自分で限界を作るようなことはせず、自分を信じて勉強に励んだ結果でした。

そういった努力が実り、累積で2年ほどしか定置網漁に参加していない私が、漁労長になりました。資源が少なくなっていく中で、水揚げ高を増やさないとなりませんから自分で工夫をしなければなりません。その工夫は自分で何でも直せるから出来ること、下地があるから出来ることだと思います。挑戦するからには、それだけの下準備が必要というのが私の持論です。

人への感謝と負けない気持ちの両輪

 

human04_img2.jpg

そんな自分の仕事への姿勢がどうして身に付いたかといいますと、それは私の生い立ちにも関係があると思います。私は両親がいなかったため、他人のお世話になってご飯を食べてきました。小さい頃から人の顔色を見て大きくなったため、「人に甘えてはいけない」という気持ちがずっとあります。また、それと同時に人の感情に対して敏感なところがあり、人の痛みが人一倍分かるほうだと思います。

この二つの気持ちが責任感というものを両輪のように支えてくれているのだと思います。人に負けてはいけないという気持ちと仕事さえ真面目にやっていれば、誰かに拾ってもらえるだろうと。そんな私ですので、一緒にやる人間に、家族や親を大切にして欲しいという気持ちがあり、つい仕事に熱心になって欲しいと海の上では鬼の顔で接してしまいます。最近の漁は機械で行う作業が多いのでちょっと油断するとすぐに怪我をしてしまいますから、そういう部分でも気が抜けないです。その分、陸(おか)の上では仏の顔で接するようにしております。

 

つぶしていいものじゃないから、残したい

 

human04_img3.jpg

そんな私ももうすぐ70歳になります。最近では自分がやめた後もちゃんと漁が続いているのを見るのが楽しみです。この定置網がなくなると、この島から定置網漁そのものがなくなってしまいます。それはこの定置網で働く9人の漁夫さんが食べていけなくなる事ですし、島の人も魚が食べられなくなります。島の食文化の根本をなす魚を、この島から無くす訳にはいかないのです。


つぶしていいものではないから、きちんと仕事をしないといけないのだという思いが強くなります。そもそも定置網は会社のものであり、他人の財産です。それを預かっているのだから、大切にしたいと。

会社があるおかげで自分もご飯が食べられる、会社が自分を使ってくれているおかげで、ぼけないし、身体も健康でいられるのです。そういった感謝の気持ちから定置網を無くしてはいけないと思いますし、この定置網を支えるという事は島にとってなくてはならない事なので、後の人にきちっと引き継ぎたいというのが今の気持ちです。

(2009年3月現在)